2012年7月10日火曜日

間違いだらけのクラウド業者選び

ベンダーニュートラルで書いているので、特定のクラウド業者を非難、攻撃したりヨイショするわけでもない。以下は、完全に個人の意見である。また、なぜ私がクラウド業界に見切りをつけたのかの原因かもしれない。


ただ、もし、クラウド関連のプロジェクトで上手く行っていないことがあるのであれば、業者選定や業者とのつきあい方を見直すことも場合によって必要であるのではと思う。
自身の経験からして、以下のケースに複数あてはまるようであれば、かなりヤバいと思う。書いていてかなり非常識なケースだなと思ったが、麻痺をしてくると非常識が日常になることもありうる。

1. WEBページにプライバシーポリシーの記載などがない。
セミナーをやる会社で多い。新興系ベンチャーだから仕方がないかもしれないが、プライバシーポリシーの記載が無いのである。ベンチャーだから仕方ないのは、社内だけの事情なので、それを押し付けられてもどうにもならない。
なので、そのようなセミナーに行くと必ずすぐsalesforce.comらしきシステムを使って(クラウド系の企業だし。)営業メールが来る。毎度毎度来るので、スパムに入ってしまうので気がつかないかもしれないが。(メルマガの登録なんてもっての他)
それだけではなく、記載されている企業間で勝手に名刺や名簿をやりとりしてしまっている可能性がある。特に外国企業なので、日本の個人情報保護法やプライバシーポリシーなどの考えはもともと知らないので、不正に受け取った個人情報を受け入れてしまう可能性がある。怪しいと思ったら、本当の意味での個人情報のみをさらすべきかもしれない。彼らには、法人のアカウント以外は興味はない。

2.御社だけに特別価格で提供するやビジネスプランを一緒に考えましょうというフレーズ
海外企業は、日本での市場を開拓したいので日本に代理店を設置しているのだが、その代理店の業界スキルやエンジニアスキルが無い場合、どこに売っていいか分からないなので、自分たちのアカウントに対して手当たり次第ということになる。どのような製品で、どこにバリューがあるか説明ができないために、価格を特別価格に設定することになる。(営業の最終兵器の値下げがいきなり登場。。。)
さらに、ビジネスプランを一緒に考えましょうもおかしい。まずは、代理店側が市場調査をして、適切な市場で展開をするのだが、その業務を一緒にやるということは、顧客が代理店の作業をただ働きをしているのではと思う。また、ビジネスプランは、あくまでも顧客内部で揉む必要があるとおもうのだが、その顧客の事情を知らない状態でビジネスプランを一緒にはできないし、そもそも頼んでいない。

3.製品説明が出来ない。宿題ばかり。
代理店に、エンジニアが居ない、居てもフルタイムのエンジニアがいない、エンジニアスキルが無い会社に多い。そもそもエンジニアスキルが誰もないから、ホワイトペーパーの丸写しあるいは、あまり製品に関係ない持論を出してくる。なので、ミーティングが終わった後も、「何の製品で何に使うのだろう???」という感じを受ける。さらに、「我々も知らないことなんだろうな、勉強しなきゃ」と思うかもしれない。これは巧みな心理テクニックとも言える。向こうが分かったフリをして自身でも分からないことを話として聞いた場合、あくまでもミーティングの場内では、聞き手のみが分からないという状態になる。(実際はそのミーティングの場では誰も何が何だかわからない)そこで、聞き手は、「理解していない相手」の話を信用してしまう。また、話を社内で進めていく上で、いぜん何が何だか分からないので、余計に相手を信用せざる得ない。(もう何も分かっていない代理店を信用せざる得なくなる。)
ここまで行くと、上手くいくかどうか、完全に「運」である。社運は別のところでしかるべきところで使うべき。負け戦にしょっぱなから突っ込むべきではない。
外部と交流が薄い企業は、客観的な判断する能力が弱っているので気をつけるべき。なので今からでも遅くはないので、情報収集をすべき。

4. 日本の代理店でデモができない。
これは実は大問題かもしれない。
日本の代理店でデモができないので資料だけもってくる。ひどい時はWebから入手できるであろう英文のブローシャー。もし、デモを見たいというと外国のベンダーにある本社デモ環境を見せてくる。
日本で唯一の代理店が自分の所で環境が作れないということは、その製品を理解していない。(どのような製品なのかを理解していないから当然なのだが)さらに日本語環境で動作するかは「購入者責任」。多分、動作検証も購入者責任になる。つまり、導入には、製品検証も加わるので、サービスインにはかなりの時間がかかる。製品の品質がもともと悪ければさらに時間がかかる。たまに「アジャイルで」というフレーズを聞くが、これだと、購入した本人たちがアジャイルの開発を強いられてしまう。さらにサービスインをした後も日本語(日本語で問い合わせができる、日本語での動作環境をサポートできるという意味で)も全く期待できない。
今、エンジニアを採用中と言ってもどういうスキルセットが必要なのかも分かっていないので永遠に期待はできない。

注:代理店がデモをできないケースは全てが悪いとは言わない。代理店によっては、単純にブリッジだけしますというケースもあるからだ。その場合は、こちらも覚悟をしている(こちらは逆に覚悟をすべき)ので問題はあまり生じない。

5.海外とのコネクションを強調することを超えて、本国の人間が登場してくる
そのベンダーの日本法人ならば仕方ないが、代理店レベルで外国人が出てくる。そのやり取りを代理店が行うのではと思うのだが。面倒くさい契約を顧客にやらせて名声を取ろうとしているのかもしれない。実作業やエンジニア的な事はやらないが、我々(代理店)が仕事したといいたいのかもしれない。見分けかたは、外国とGoToMeetingやWebEX、Skypeを多様する代理店は要注意。今は、グローバルにこういったシステムをつかわなければと言うが、たしかにそう思う。でも海外ベンダーとのやり取りを押し付けるのと話は違う。もし、あなたが英語をしゃべれるのであれば、そもそも代理店は不要以上に余計だ。
似たようなケースで、これからは英語が必要なので、英語で会議しますと言い出すとき。
実際、英語は必要だが、本当に確認しなければならないときは、それぞれの母国語で理解をして話すべき。不得意な言語で話をまとめようとするのは、代理店側が早く適当に契約をとりたいからだと思う。普通は確実を要する契約は、それぞれ母国語でやる。
総理大臣は海外で英語は話せても使わないと思う。
http://okwave.jp/qa/q5760816_2.html
No.12 の人の回答がそれ。


6.必要な環境要件やら資材があやふや。
だーれも作ったことが無いのだから、仕方ないのだが、用意するこちらとしては、予算と採算を考えなければならない。どこの企業も予算外の捻出はできない。ビジネスコンサルをすると代理店は言ってくるかもしれないが、彼らは予算も採算もコンサルどころかサンプルも出ない。そもそも、IaaS的な先行投資が必要な環境は、サービス用環境の他に最低でも1つ(本当は2つ欲しいが)必要なのを理解していない。その根本原因は、業務知識がないということに他ならない。


上記の6項目は、私が数々のクラウド商材の提案を受けたときに感じたことだ。
当時は、「あー、とりあえず何か新しいおもちゃを見つけたんだな。箱から出さないで大切にしているんだなぁ」と思っていただけだけど。話を進めるとドツボになるケース。
幸い今は、クラウド業界から離れて、こんな心配もないのだが、もし、何かの役にたつのであればという思いで書いた。


まとめると、代理店の見極めするポイントは以下である。
1. 企業としてしっかりしているかどうか(当たり前だが)
まず、日本だけで簡潔できる提案をしてくるか。日本企業間で取引して、日本人の勤める日本企業に対して営業するのであれば、「楽天」以外許されない。楽天を否定する訳ではない。楽天は、会社としてちゃんと声明をしているのだから。
2.こちらの業界、業種についての知識がある。それに対応した商談をちゃんとできる。
業界常識や前提条件、習慣、トレンド、キーワード、用語がお互いで正しく理解ができれば、それぞれの役割分担がしっかりする。
3.製品の説明やデモが日本の代理店レベルで正しくできる。
商材をしっかり、「輸入した」証でもある。

今思えば、もっといい代理店にあっていればなぁと思う

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